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6.8×43mm SPC弾(Special Purpose Cartridge)または6.8mmレミントンSPC弾(6.8mm Remington SPC)は、アメリカ特殊作戦軍(SOCOM)を中心としたチームによって開発された新型の小火器用弾薬。5.56x45mm NATO弾と7.62x51mm NATO弾の中間に位置する性能を持ち、5.56mm NATO弾を代替する目的で作られた。 == 開発の経緯 == ベトナム戦争以降、アメリカ軍はその使用を強硬に主張し続けていた7.62x51mm NATO弾を使用するM14よりも、小口径高初速の.223レミントンを使用するM16の方が効果的であるという結論に達した。そして、北大西洋条約機構(NATO)においてもこれを改良した5.56x45mm NATO弾へと代替していった。これはワルシャワ条約機構がSKSカービン並びにAK-47において7.62x39mm弾を採用してから、9年以上が経過してからのことであった(当時は冷戦真っ只中であり、各地で代理戦争が頻発していた時期である)。 その後、世界各国のアサルトライフルや分隊支援火器は、5.56mm弾の使用を前提として開発されてきた。この弾丸は貫通力が高い割に撃ち易く、小さく軽かったために7.62mm弾よりも大量の弾薬を持ち運ぶことが出来た。これを正式化したNATOのみならず、ヨーロッパ各国や東アジア圏の西側諸国寄りの国家(日本や韓国、シンガポールなど)もM16やMINIMI、或いは89式やK2などの5.56mm弾を使用する銃器を採用してきた。現在、M16のライバルともいえるAK-47の継嗣であるAK-100にも、輸出向けに5.56mm弾を使用するモデルがラインナップされている。 しかし、湾岸戦争以降、或いはそれ以前より、特に歩兵戦闘に従事する陸軍や海兵隊の兵士から、5.56mm弾に対する不満が噴出していた。5.56mm弾の初速は速いものの、弾頭が軽量であるために遠距離の弾道性能に乏しく、精度を保てる距離はそれほど長くはなかった。加えて、着弾時の威力よりも貫通力を重視したため、相手が極度の興奮状態にある場合、頭部や心臓、脊椎などの急所を破壊できなければ、致命傷を与えられないとの声も上がった。 例を挙げると、モガディシュの戦闘において、ハッシシを服用して極度の興奮状態に陥った敵(その多くが民兵であった)は、5.56mm弾を数発撃ち込まれた程度では倒れず、撃ち返してきたという〔アメリカ陸軍は、かつて米西戦争において軍用拳銃弾が威力不足で敵を撃ち倒せなかったという似たような状況に遭遇し、新弾薬.45ACP弾と新型拳銃M1911を採用している。〕。この戦いのドキュメンタリーであるブラックホーク・ダウンの原作中でも、レンジャーの将兵がM16と5.56mm弾を「相手を殺すのではなく重傷を与えるための弾丸だ」と評している。「死体は放置しておいていいが、負傷者は応急手当・後送をせねばならない。だから、殺すよりも深手を負わせるほうが、敵はかえって手間と人手を食う」という論理である。だが、敵が民兵や武装勢力、そして人命を重視しない途上国正規軍である場合、負傷者も死体同様放置されることが多いため、この論理は必ずしも通じない。それどころか前述のように撃ち倒したはずの負傷者が撃ち返してくることさえあった。 これに対して、米軍に敵対する勢力が装備することが多いAK-47の7.62x39mm弾は、口径が大きいことから携帯に不便で反動も強かったが、セミオートでの弾道性能は比較的良好で、5.56mm弾の届かない距離から正確では無いが攻撃することができた。また大口径ならではの殺傷力は、「どこに当たってもイチコロで終わり」と実情以上に高く評価された。こうした状況で、兵士達は敵から鹵獲したAK-47を使用したり、二級火器としてモスボールされていたM14に近代的な改造を施したライフルを持ち出してきた。他にも、軍では5.56mm弾の弾頭重量を増やしたMk 262 Mod0/1をSPR Mk12用として支給したが、どれも根本的な解決には至らなかった。 また、湾岸戦争やイラク戦争といった過酷な砂漠地帯での戦闘で、射撃精度に優れるが構造的にデリケートなM16に対する評価が激減したこと、市街戦での歩兵の重要性が否が応にも増したこと、さらにボディアーマーが急速に進化して5.56mm弾に対する十分な防御力を持ち始めたことを受けて、アメリカ軍では5.56mm弾を代替する強力な弾薬と、これを使用する信頼性の高い銃器の開発が急務となった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「6.8×43mm SPC」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 6.8 mm Remington SPC 」があります。 スポンサード リンク
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